Thu 2011-03-03

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Crumbling the Antiseptic Beauty 1981y

1981年にチェリーレッドよりリリースされたバンドとしての初めてのアルバム。
当時は額面通り、「美の崩壊」という邦題でした。

当時はローレンス、モーリス、ニック、ゲイリーの4人組でした。
プロデュースはジョン・A・リバース。

独特の陰影にとんだ、悲しいほどに美しいサウンドを持ったアルバムです。
ジャケットどおりの音世界です。

ローレンスの呟くようなヴォーカルに、
3コード・オンリーの繊細なラインのアコースティック・ギターの、
荒削りでチープなサウンドで、ポピュラリティ関係なしの、
ほとんど自己満足の世界の音ですが、
彼らの基本形の様なモノは出来上がっている感じ。

フェルト・サウンドの原点として聴いてみて下さい。
特に「I Worship The Sun」はおススメです。

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The Splendour of Fear 1984y

チェリーレッドでの2作目。
プロデュースは前作同様、ジョン・A・リバース。
良し悪しは好みですが、これがFELTです。

モーリス・ディーバンクとローレンスのバランスがよくとれた作品。
この頃、ベースがミック・ロイドにチェンジしました。

ギターの透明感が増し、それまであった密室感が薄れ、
より広がりと奥行きのある音響構築が見事なアルバム、
特筆すべきはクリアで緊迫感さえ感じる美しさを持ったギター・サウンド、
今作では基本的には生に近い音ですけれども、
透明感と奥行きが広がっているように感じます。

ギターアルペジオサウンドの好きな人なら必聴(笑)。
「音をちりばめて曲を構成する」とはどういうことなのか、
その答えを示しているように思います。

特にインストの「Mexican Bandits」「A Preacher In New England」は、
美しいアコギの響きで、映像的なイメージを喚起させる名曲です。

特に「The Stagnant Pool」は、「澱んだ池」「沈んだ棺」
「死に絶えた心臓」「聖なる十字軍の亡霊」といったフレーズ連発の後、
沈んだギターが繰り返し流れる8分強の超暗黒曲(笑)。

全6曲中4曲がインストという、独特なアルバムですが、
飽きない多彩なサウンドが素晴らしい好盤です。

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The Strange Idols Pattern and Other Short Stories 1984y

チェリーレッドからの3rd。
これまでの暗黒ぶりから大きく変わってポップになったアルバム。

ジョン・レッキープロデュースにより、独自の美意識はそのままに、
バンドのポピュラリティを得た最初のアルバムといってもいいかも知れません。

マイナーコード多用してきた以前までのサウンドから一転し、
爽やかなメジャー・コード展開を見せるサウンドが新境地を開拓、
彼らの変身第一弾アルバムですが、ギターは相変わらず美しい。
一般的には「FELTがビート感覚を導入したアルバム」と言われています。

全体的にビートに乗ったディーバンクのギターが絶妙。
また、ローレンスのボーカルも気持ちよさそうで、
ようやくバンドっぽくなりました。

「Crystal Ball」「Dismantled King Is Off The Throne」等、代表曲も収録。
「My Face On Fire」の改作「Whirlpool Vision Of Shame」は、
オリジナルとと甲乙つけ難し。どちらもいかにもな世界を築いています。

相変わらずインストも多いですが、
音がどんどん整理されてきて聴きやすくなってきています。

アルバムに先駆けて
「Sunlight Bathed The Golden Grow」の12inc聴いたとき、
躍動感がありポップになったという印象を抱いたのを思い出します。

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Ignite the Seven Cannons 1985y

1985年の4th。3rdの路線を更に発展させ完成させた名作。
初期のエポック・メイキングといえるアルバムです。
プロデュースは、コクトー・ツインズのロビン・ガスリーが担当しています。

FELTはメンバーの入れ替わりの激しいバンドでしたが、
このアルバムでのラインナップは間違いなく最強でした。
ローレンス、モーリス・ディーバンク、ゲイリー・エインジの3人に、
今作からキーボーディストとしてマーティン・ダフィーが加入、
さらに次作からは正式メンバーとしてクレジットされることになる
マルコ・トーマスがベーシストとして参加(今作ではゲスト扱い)。
チェリーレッド時代のサウンドの主軸モーリス・ディーバンクと、
クリエイション時代のサウンドの主軸マーティン・ダフィーが
唯一同時に参加した作品でもあります。

名曲揃いですが、聴き所はやはり「Primitive Painters」
殆ど一つの音階で喋っているだけの様なローレンスのヴォーカルに絡む、
当時の4ADの顔とも言えたコクトー・ツインズのエリザベス・フレーザーの,
艶っぽいボーカルをフィーチャーしたこの曲は最高傑作です。

他にも大好きな「Textile Ranch」など後半のインストナンバーも絶品。
初期FELTを代表するお勧めアルバムであり、
このアルバムをベストアルバムとする人も多いのではないでしょうか。


一つの頂点を極めたFELTですが、モーリス・ディーバンクが脱退。
マーティン・ダフィーの加入により自分の役目がなくなったと考えた上での
決断と言われていますが、真偽は定かではありません。
また、チェリーレッドから、クリエイションへ移籍、
ここで大きな転換期を迎えます。

今となってはクリエイションというレーベル自体がよく知られているので、
FELTも「かつてクリエイションに在籍したバンド」として、
認識されることも多いと思います。

ですがFELTというバンドの魅力はむしろクリエイション移籍前の、
この頃の時代にある、という人の方が多いのではないでしょうか。

トラヴィス、ドウルッティ・コラムなど、好きな人にお勧めします。
是非聴いてみて下さい。

イギリスのユースカルチャームーブメントをご紹介する上で外せません。
私がリアルタイムで感じた、当時の英国の音楽シーンを感じて頂ければと思います。
http://www.rising-mini.jp/
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