アズテック・カメラ Aztec Camera
アズテック・カメラ Aztec Camera
アズテック・カメラはロディ・フレイムが中心となって、
グラスゴー近郊で1980年に結成されました。
ロディ・フレイムのアイドル顔負けのルックスに、
甘くせつないメロディー、高い技術力を持つギタープレイ、
そこにエルヴィス・コステロ並みの毒や皮肉を含んだ歌詞、
それがアズテック・カメラでした。
オレンジ・ジュースの際にも書きましたが、ポスト・パンクという時代の中で、
パンクスピリットに殉じたがゆえの、反発やファッションパンクへのアンチ、
それがあのスタイルだったと思います。
ポストカードレーベルの出身のバンドを個人的な思い入れで書くと、
オレンジ・ジュース、ゴー・ビトウィーンズ、Josef Kという具合。
ディ-プな声質が魅力のエドウィンのオレンジ・ジュースや、
オーストラリアからのゴー・ビトウィーンズのストレンジな魅力、
アクの強さで好き嫌いハッキリしそうなJosef Kに比べると、
アズテック・カメラって爽やかで癖がなく、
いかにもネオアコって感じで優等生的なイメージでした。
ですが、歳を重ねてアルバムを出すたびに大きく印象が変わります。
英国ギターポップの一つの指針を示したグループの一つです。
High Land, Hard Rain 1983y
ラフ・トレードから発売。
名盤なので、私が今更ここでとやかく書く必要はまったくないのですが、
ネオアコという範疇だけで語るには惜しすぎるアルバムだと思います。
当時20歳前後のロディ・フレイムのギター・サウンドは粒のある綺麗な音で、
そんな洗練されたサウンドとは裏腹に、毒歌詞が吐かれているという、
そういうギャップを楽しんで演っているところがスキ。
マイフェイバリットアルバムの一枚に選ぶ人が多い(笑)。
ネオアコ、ギターポップ系には必ず載っている説明不要の名作。
日本盤のCDではシングルB面の3曲が聴けてお得です。
これからもマイフェイバリットであり続ける一枚。
Knife 1984y
前作で鮮烈なデビューを飾った彼は、このアルバムではプロデューサーに、
ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーを迎え、
卓越したギターテクの持ち主でもある彼のプロデュースにより、
ギターサウンドがより一層際立ち、これまで以上にファッショナブルな仕上がり。
シングルになった「All I Need Is Everything」のイントロのギターのフレーズ、
同じくシングルの「Still on Fire」のギターのカッティングは、
一度聞いたら、忘れられない。当時かぶれたモンでした。
「All I Need Is Everything」確か輸入盤では、
B面は何故かヴァンヘイレンのカヴァーでした。
ネオアコなんて勝手に呼んでますが、
実際ネオアコな音は、この「Knife」までが、
ぎりぎりネオアコってイメージの音(笑)。
いい曲満載の素晴らしいアルバム。
Backwards And Forwards 1985y
ロンドンでのライヴのミニアルバム。
アメリカ盤の12"アナログ盤です。アメリカと日本のみの発売でした。
Love 1987y
ヒット曲満載した、ソウルフルな傑作3rdアルバム。
NY録音で,バックにはマーカス・ミラーやスティーヴ・ガッドらが参加。
ぐっとポップ・ソウルに接近した3作目。昔からのファンの間では賛否両論なんですが、
ニュー・ウェイヴ世代のAORとしては、まずまずの出来で好みのタイプ。
ブルーアイド・ソウルというカテゴリーに位置づけると、
この「Love」は、スタイル・カウンシルやブロー・モンキーズに、
引けを取らない名作。腰に来ないソウル、R&Bもたまにはいいものです。
これも名盤であることは間違いない作品。
Stray 1990y
ロディ・フレイムがそのマルチな才能をアピールした、
バラエティに富んだ4thアルバム。
「Over My Head」と「Notting Hill Blues」はおススメ。
それと、「Good Morning Britain」は、
かつて1stアルバム「High Land, Hard Rain」の歌詞で、
「壁からジョー・ストラマーのポスターが剥がれ落ちた」・・と、
パンクの終焉を歌ったロディが、ミック・ジョーンズと共演したという事、
これは、ある意味このアルバムの象徴的な部分だと思います。
「Stray」を直訳すれば「迷い(さまよい)」です。
もしかしたら、本当に迷ってて、一曲ごと拘るあまり、
開き直ってそれをアルバム・タイトルにしたのかも知れません。
ま、それがテーマなんですけど(笑)。
「泣き」を愛好する方には絶対にオススメしたい一枚です。
Dream Land 1993y
当時のグランジ~オルタナティヴ全盛、
あるいはブリット・ポップ前夜という状況下でリリース。
ファンの間ではアズテック・カメラの最高傑作に挙げる人も多い「Dreamland」
プロデュースに坂本龍一を迎え(ロディと共同名義)、
意欲的に電子楽器を取り込んだ作品。・・とはいえ、テクノやエレポップ的なものではなく、
アコギやピアノといった生楽器を際立たせるための手段で、
言わば、主役はロディの歌声とロディのギターであり、電子楽器はあくまでも脇役。
浮遊感のある音色や音像処理によって、持ち味の一つである透明感を強調しています。
ロディならではのメロディと詩に、主張しすぎない程度にスペインのムードと、
坂本龍一のエッセンスが加わることで傑作と呼べるアルバムが誕生しました。
Covers & Rare 1993年
1993年に突如リリースされた「Covers & Rare」
タイトルのとおりカバー曲とアルバム未収録曲、
12incシングル別ヴァージョンなどを寄せ集めた日本独自の便利な編集盤(笑)。
Frestonia 1995y
このアルバムを最後にロディ・フレイムは、
アズテック・カメラ名義の作品を出さなくなってしまいました。
このアルバムはクライヴ・ランガー&アラン・ウィンスタンレーがプロデュース。
モリッシーやティアドロップ・エクスプローズでお馴染み。
プレスの評価はあまり高くありませんでした・・が、
アズテック・カメラの音楽に魅せられた経験のある全ての人を納得させるだけの、
ポテンシャルを持っているのにも関わらず、ほどんど話題にならなかった隠れた傑作。
シンプルなサウンドながら、全体にグルーブのあるサウンドは、
美しいフレーズのメロディに、ゆっくりとリズムに浸れる感じ。
個人的には、この後のロディ・フレイムのソロに続くアルバムとあわせて、
ローテーションしています。
The Best Of Aztec Camera 1999y
言う程、選曲はベストではないと思います(笑)。
この後、ロディ・フレイムはソロになる訳で、
3枚のアルバムをリリースしています。是非、聴いてみて下さい。
イギリスのユースカルチャームーブメントをご紹介する上で外せません。
私がリアルタイムで感じた、当時の英国の音楽シーンを感じて頂ければと思います。
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