-- --------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Thu 2009-12-24

Dancer in the Dark ダンサー・イン・ザ・ダーク

私、実はあまりミュージカル映画は好きではありません(笑)。
突然歌い出すのがイヤなのか、それともソレを楽しめる素養がないせいか、
自分でもよくわからないんですけど、ミュージカルは好きではありません。

でも、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は別です。

gazou_0722_01.jpg

監督、脚本:ラース・フォン・トリアー 撮影:ロビー・ミュラー 
音楽:ビョーク 振付:ヴィンセント・パターソン
出演:ビョーク セルマ/カトリーヌ・ドヌーヴ/デヴィッド・モース
   ピーター・ストーメア/ジャン=マルク・バール

2000年 デンマーク
カンヌ国際映画祭パルムドール、女優賞
インディペンデント・スピリット賞外国映画賞受賞

目の不自由なシングル・マザーがたどる悲劇を描いた異色ミュージカル。

1960年代、アメリカの片田舎。チェコからやってきたセルマ(ビョーク)は、女手一つで息子ジーン(ヴラディカ・コスティク)を育てながら工場で働いている。セルマは遺伝性の病気のため視力を失いつつあり、ジーンも手術を受けないと同じ運命をたどるのだが、それを秘密にしつつ、手術費用をこつこつ貯めていた。彼女の生きがいはミュージカル。アマチュア劇団で稽古をしたり、仕事帰りに友人のキャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)とハリウッドのミュージカル映画を観ることを唯一の楽しみとしていた。


セルマは歌が大好き。辛くて耐えられなくなると、
工場の機械がいろいろなリズムを刻んでくれる。
すると音楽が始まり、セルマは歌い始める。


そんなセルマの視力は日増しに弱くなり、ついには仕事のミスが重なり工場をクビに。しかもジーンの手術代として貯めていた金を、親切にしてくれていたはずの警察官ビル(デイヴィッド・モース)に盗まれてしまう。セルマはビルに金を返すように迫り、もみ合っているうちに拳銃でビルが死んでしまった。やがてセルマは殺人犯として逮捕され、裁判にかけられる。しかしセルマはジーンを守るため、またビルが妻に内緒で破産していたという秘密を隠し通すため、法廷でも真実を語ろうとはしない。そしてジーンが目の手術を無事受けることだけを願いつつ、自分は絞首台で死んでいく・・・。



マイフェイバリットムービーの一つです。


救いのない状況の中、悲観に暮れるのではなくセルマが没頭するのは空想の世界。
斬新な演出手法で披露されるミュージカル・シーンの数々は、
余りに救いのないストーリー中で輝き観た事の無い迫力とインパクトを残します。

愚かなまでに誠実なセルマを演じ、
魂から歌い上げるアイスランドの生んだ歌姫ビョークの歌声に、
悲哀と人生の不条理さを感じます。その一途さが痛くて切なくて胸に刺さります。

ビョークだからこそ表現できたと思います。

この映画は、ラース・フォン・トリアー監督のデンマークの映画。
「奇跡の海」「イディオッツ」に次ぐ「黄金の心」三部作がこの映画で完結したことになります。

デンマークには“ドグマ95”という映画作家たちが提唱する映画運動があり、オールロケ、手持ちカメラ、自然光による撮影といった、シンプルな撮影方法に回帰した映画制作を行っており、この映画ではミュージカル場面を除いて、このドグマに基づいて撮影されたそうです。独特な映像はこの為です。手持ちのカメラを多用したカメラワークやジャンプカットによるスピーディーな画面の展開、セルマの空想のシーンを明るい色調のミュージカル仕立てにした構成で高い評価を得ました。

gazou_091211_0.jpg

子供のために親は必要だから、死なない方が良かったのに、という意見もあると思います。
でも、セルマは「目」の方が大事だと叫びます。

それは、徐々に光を失っていくということを自分が身をもって知ったからだろう・・と、
思います。それがどれだけの事なのか、セルマにしか分かりません。
ジーンに必要なのは、母親ではなく目だと泣き叫び、光も音もない世界で、
恐怖に押しつぶされそうになるのを必死でこらえている。

我が子を腕に抱くために産んで、視力を与えるため選ぶ自らの死。
ハンディを負った人間の頑なさ、それを取り巻く人々の困惑と現実感。
人間の矛盾とエゴ、純粋さと愚かさ、無責任さと傲慢、埋めようのない感覚の違いと虚しさ。
現実の辛さとその中での夢を、残酷なまでに対比させて映像化した作品と思います。


そしてビョークとレディオヘッドのトム・ヨークの「I've seen it all」
重いリズムと祈るようなビョークの声、
儚い寂しげなヨークの声が映画の雰囲気と相俟って名曲です。

よく「感動した」とか「泣ける映画」という冠の付くこの映画ですけど、
私は泣けるどころか、衝撃を受けました。
主人公の死を空々しく味付けするわけじゃなく淡々と・・・。
ただの「お涙頂戴ミュージカル映画」ではありません。

クリスマスイブの今日に、
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を紹介するのはどうかと思いますが(笑)、
無理して薦めはしません・・が、是非観て欲しい一本です。
http://www.rising-mini.jp/
FC2 Blog Ranking

ポチッと押して下さい。
スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。