Sat 2009-10-10

期待に応えます。ヘッド編

「M」様のライレーエルフの続きです。今回、ヘッド編です。

実際の作業順序とは前後しております。

オイル下がりを起こしており、オイルの消費が大きく、加速時に白煙・・・、
パワーも大分落ちてきたので、「M」様と話し合いの上、ヘッドオーバーホールを実施します。

「オイル下がり」とは文字どおり、オイルが「上から下へ」下がる症状で、
具体的には、エンジンのヘッド(バルブのあるところ)部分を潤滑しているオイルが、
燃焼室に入り込み、爆発時にガソリンと一緒に燃えてしまう症状です。

オイル下がりを判断する方法は、アイドリング時にマフラーから、
「青白い煙」が出ていることで判断できます。
特にエンジンが冷えている時の始動直後に発生すれば、
確実にオイル下がりが発生しています。

原因はバルブを支持しているバルブガイドの摩耗やバルブステムの摩耗、
バルブに取り付けられているオイルシールの摩耗、硬化、破損等が考えられます。
つまり、本来はオイルが燃焼室に入ってはいけない訳で、
擦動構造部分のクリアランスが大きくなってしまい、異常が発生しているわけです。

バルブガイドやバルブ自体の摩耗が進んでいる場合は、
これらの部品交換とバルブシートと新バルブのすり合わせ加工が必要となります。
ですが、「オイル下がり」の場合は「オイル上がり」に比べ修理代も少なくて済みます。

ご予算の都合もあるので作業は限られますが、
軽く面研磨、ガイド入れ替えとシートカット、バルブ交換等作業です。

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まず、各気筒の圧縮を計り、
4気筒ともコンディションを判断します。

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ヘッドを剥いで、内燃機屋さんに加工修理に出す前に、
水周りのウォーターラインを洗浄します。

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ヘッドを剥いで、ガスケットの状態を診ます。
3、4番がつながっていました・・・。開けて正解です。調子がイマイチな訳です。

また、以前このエンジンを組んだ時に、液体ガスケットを大量に使用したか・・で、
ウォーターラインやオイルラインにはみ出しており、芳しくありません。

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ヘッド側も然りです。
ガイドのガタ、バルブシールの硬化でオイル下がりを起こしていました。

バルブはこの状態ではダメです。
コレではキチンと閉まりません。

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バルブ自身も曲がり、ガタがあり、
今回、吸排気共にバルブは新品を使用します。

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各パーツを洗浄し、咬み込んでいたコッターもあった事から、
コッターも新品を使用します。新品のコッターをオイルで馴染ませ養生させます。

モアパワーでチューニングという訳ではないですし、ご予算の兼ね合いもあるので、
再使用できるバルブスプリング等はそのまま行きます。

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外したヘッドは内燃機屋さんにお願いして、
面研磨、バルブシート、バルブ摺り合わせ、ガイド打ち替えを行います。

一番から四番までバルブを組みつけていきます。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
当店では、ヘッド、ブロックをオーバーホールの際にリペイントしております。

綺麗なBMCグリーンのヘッドになりました。

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バルブの組み付けも終わりました。
ロッカーアームも準備完了です。

前回にご紹介した水回りは、
ウォーターポンプ、各ホースの取り付けを終え、
各ベルトを取り付けていきます。

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タイミングカバーを外し洗浄後、リペイント。

オイル漏れの原因でもあった、タイミングシールを交換します。

右の画像の右下にスピードメーターケーブルが見えます。
この辺り、ベトベトのグチャグチャ。汚れをこそげ落とし洗浄してから組み付けます。

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ピストントップを綺麗にして、カーボンを除去して、
新品のヘッドガスケットを用意します。

モアパワーチューニングする訳ではないので、スタッドボルトは再利用しました。
出来れば交換したいところが、本音です。

加工作業の終わったヘッドを組み付けます。

もう一つのオイル漏れの原因のチェストカバー。
パッキン、ボルトパッキン新品使用し、規定トルクで締め込みます。

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ロッカーアームを取り付け、各バルブクリアランスを調整していきます。

オイル下がりは普通は徐々に進行していきます。
旧車や走行距離数の多い車は必ず発生します。

対策は、ヘッドのオーバーホール以外に方法はありません。
ケミカルで誤魔化しても完治はしません。早めに、オーバーホールを決断しましょう。

さぁて、あと一息です。大掛かりな整備はとりあえず終了です。
次回、ステアリングラック交換編に続きます。
http://www.rising-mini.jp/
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